生産者プロフィール
松本吉弘 Yoshihiro Matsumoto | |
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松本真理子 Mariko Matsumoto | |
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Interview
緑肥栽培を始められたきっかけや、エピソードなどありましたら教えてください。
そうですね、
緑肥栽培をはじめた当初、
「誰もしていないことをする」ということが、
周囲からは変わり者扱いされるというか・・・、
特に田舎は、どこでもそうだと思うんですけれども
人と違うことをすると変な意味で注目されるところがありますね・・・。
最初の頃は、収穫もしない麦を作るより、
玉ねぎとか野菜とかもっとお金になるものを作れって言われたりしました。
だからやっぱり、
結果が出て初めて認められるというか、
他のことでも勿論そうですけれど、
誰もやっていないことをやるというのは
そういうものなんだと思います。
始める時に、成功する自信というか、先の見通しのようなものはあったのでしょうか?
正直、あまり先の予測はできてませんでしたね。
そもそも、緑肥栽培をはじめようと思われたきっかけは何だったのですか?
前から有機栽培にとても興味がありました。
それで知り合いで有機栽培をしている人がいて、
その人の影響もあって、
それで色々と勉強していくうちに
有機栽培のなかでも、
一番コスト的にもかからないのが緑肥栽培ということを知りまして。
経費は種代くらいしかかからないし、
低コストでできて、手間もそれほどかからない。
下手に有機肥料とか使えば、
効果があるどころか、逆効果になる例も多いんです。
それで「緑肥栽培」にたどり着かれたのですね。
循環型でもあるし、
一番、自然の理にかなっているので。
山や森の中で行われている自然の循環をそのまま畑に持ってきたという感じですね。
そうですね。一番自然に近いですね。
それで緑肥が土に還ると、土の中で微生物活動が活発になって、農薬化学肥料も使用量が減ってくるということですが・・・。
そうですね。
それほど極端に減るわけではないんですが・・・。
というより、もともと農薬はあまり使わないほうでしたし。
減った割合としては数字で表すとするとどれくらいですか?
農薬だったら、40%減。
化学肥料だと30%減くらいですね。
この緑肥栽培がうまくいっているのを見て「自分もやってみよう!」と実際に真似された人などはいらっしゃいますか?
何人かの方がいらっしゃいますけど、なかなか続けるのが難しかったようです。
結果がでるまでに年数がかかるというのもありますし。
それに「い草」というのは
他の農作物のようにはっきりとした「味の違い」というものがないし、
見た目で判断するしかないというのもあります。
しかし、見た目や質感などで、
その差を見極めるは、プロでもなかなか難しいんです。
確かにそうですね。野菜とかだと「味の違い」というのが一番大きいですよね。その要素がない分、一般には違いが分かりにくい。
そうなんです。長年自分の目で変化を見てきて、ようやく分かるというか。
収穫する時や織る時に、い草の弾力性の違いから、今までだったらもっと傷の入りが多かったのに、それが少なくなってきたとか。
かなりの経験が必要なのですね。ところで緑肥栽培を始められたのはいつ頃のことですか?
今からちょうど20年前、平成7年頃ですね。
始めた当時というのは、い草の値段がだんだん下がっていて
い草経営から離脱する人が多かった時期でした。
それまでにい草を作っていたたくさんの農家が
他の農作物に転換してしまいました。
私が緑肥栽培をはじめてから2,3年くらいたった時期に、
い草がとうとう大暴落しまして・・・
そういえば確かその当時、国会などでも「い草産地救済」に関する議題が上がっていましたね。
そうですね。その時期を境に、急激にい草農家は減っていったんです。
その時にやめようとは思われなかったんですか?
何度かやめようとも思いました。
しかし、そのまま続けました。
収入は減りますけれど。
大変な時期があったのですね。
そうですね・・・。
緑肥栽培の手応えをつかんだのはいつ頃ですか?
6年後くらいですね。
その頃から、緑肥栽培で育てているい草の質が良くなってきているのを感じました。
でも、問屋さんとか流通の方々に認められたのが
14年くらいたってからですね。
ずいぶん後のことなんですね。
い草に限らず、
何でもそういうものだと思うのですが、
あきらめずに続けて良かったなぁと今では思っています。
問屋さんに認められるようになったきっかけは何かあったのですか?
平成10年に農林水産大臣賞を受賞することができたのが大きかったと思います。
現在では緑肥栽培はどうですか。順調ですか?
栽培面ではわりと順調です!安定してきています。
それを聞いて安心しました。これからも応援しています。頑張って下さい。
ありがとうございます。これからもどうぞ緑肥栽培畳表「潤(うるおい)」をどうぞよろしくお願いいたします。
畳替えの際は、お近くの畳店にお問い合わせ下さい。